My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
11.想い
惚れてる……?
私が、ラグに?
「悪かったよ。惚れてる男を悪く言われたら、そりゃ腹が立つよねぇ」
アヴェイラがなんだか嬉しそうに続けて、私は我に返る。
「――ち、違っ」
「いいよ、今の聞いてりゃわかるって。そうかい、銀のセイレーンとラグ・エヴァンスがそんな関係とはねぇ」
「違うの! 私とラグはそんなんじゃなくて」
とんでもない勘違いだ。
先ほどの、銀のセイレーンとラグ・エヴァンスが一緒になって世界を、という話も酷い誤解だと思ったが、それ以上だ。
顔が、いや、全身が熱くてたまらない。
「なんだい、ひょっとしてあんたの片思いなのかい?」
すると今度は気遣わしげに言われ、私は手と頭を同時にぶんぶん横に振る。
「そうじゃなくて! 私とラグはそんな惚れてるとかそういう関係じゃなくて、ただの旅の仲間で」