My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
こんな会話をこれまでにも何度かした気がする。ついこの間リディともそんな話をしたばかりだ。
なんで皆、そんなふうに思うのだろう。私とラグは全然そんな関係ではないというのに。
「ただの仲間?」
繰り返されて、大きく頷く。
「そう! 目的が同じってだけの、ただの、仲間……」
言いながら、なぜかまた一昨日の夜のことを思い出していた。
(――そう。私たちはお互いの目的が達成されればそれまでの、そこで終わる、それだけの関係)
またあの時の気持ちが蘇ってきて、知らずのうちに両手を強く握りしめていた。
「そうは見えないけどねぇ」
「え?」
顔を上げると、アヴェイラが優しい目をして私を見ていた。