My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
「あたしはあの男のことはよく知らないがね。カノン、あんたがラグ・エヴァンスのことを想ってるってのは今のでよーくわかったよ」
どくりと胸が音を立てた。
(私が、ラグを想って……?)
「それに、そのブゥだっけ?」
その視線がハンモックの端にぶら下がっているブゥに移る。
「ラグ・エヴァンスの使いでここまであんたを追って来たんだろう?」
「え……」
「さっきフィルがそんなようなことを言っていたじゃないか。違うのかい?」
「そ、そう。ブゥはラグの相棒で」
するとアヴェイラはやっぱりと笑った。
「ゆうべ、あんたが寝ちまった後あんたをしっかり守っていたよ。あたしはずっと見張られている気分で落ち着かなかったけどねぇ」
(ブゥが……?)
そういえば昨日はブゥが起きる前に寝てしまったのだ。