My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】

 それが彼の目的のためであっても感謝しているから。だから彼のために自分の出来ることをしたいと思うし、彼を誤解している人がいたら違うのだと本当の彼を教えたいと思う。
 それは私が彼のことを『想っている』からなのだろうか。

(……でも、想ってるって、要するに、好きってことだよね……?)

 ――私が、ラグを『好き』?

「そんなのダメだよ!」

 思わず声に出してしまってから慌てて口を押さえる。

「うぅ~ん……」

 アヴェイラの呻き声が聞こえて起こしてしまったかと焦るが、彼女はすぐにまた寝息を立て始めほっとする。

「ぶぅ?」

 小さな鳴き声がして見るとブゥが不思議そうにその円らな瞳を瞬いていた。
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