My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
「ごめん、なんでもないの」
小声でそう謝る。
私はもう一度寝返りを打って目を瞑った。
(そうだよ。私がラグを好きなんて、そんなのダメに決まってる。だって、私はこの世界の人間じゃないんだから)
私は帰らなきゃいけないのだ。
そのためにここまで来たのだ。
好きになんてなってしまったら、きっと今以上に別れが辛くなってしまう。
これまでだってライゼちゃんやドナと別れるときあんなに悲しかったのだ。この世界を離れるときは一番長く一緒にいたラグ、そしてセリーンとブゥともお別れすることになる。もう会えなくなる。――そのときが近づいている。