My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
「俺、急に目の前に故郷の風景が見えて」
海賊のひとりが涙声で言った。
「お、俺も……」
「俺もだ!」
「俺、おふくろが笑ってた……っ」
「ちくしょー! 涙が止まらねぇじゃねぇか!」
「母ちゃああ~ん!!」
揃って号泣し始めた海賊たち。その中にはブゥの一件で怒っていた海賊の姿もあって。
アヴェイラがそんな彼らを振り返り得意げに声を上げた。
「だから言ったろ!? カノンは銀のセイレーンだが悪い奴じゃないって! これで納得したかい!」
「へい、お頭ぁ!」
声を揃え威勢よく返事する海賊たち。
「ならカノンに謝りな!」
「すいませんでしたァ!!」