My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
響け この歌
高く 青の彼方まで
未来くれたきみに
いつか響くその日まで
歌い続けよう この青い空の下で
届け この想い
いつか……
彼女が歌い終えると、誰からともなくパチパチと拍手が上がった。
「お頭、すげぇ」
「俺、感動した……」
海賊たちのそんな声が耳に入ってくる。
「歌って、こんなに美しいものなんですね」
隣のフィルくんも感極まったようにそう呟いて、こちらまで誇らしくなる。
グリスノートはまだ彼女を見つめたまま呆然としている。
当然だろう。歌に憧れていた彼が、こんなにも素晴らしい歌を間近で聴くことが出来たのだ。
(大成功だよ、アヴェイラ!)
心の中で私は大きな拍手を送った。