My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
「よ~っほほほほほ!」
アヴェイラが高笑いを上げる。
「どうだいグリスノート、あたしの、歌、は……?」
そのとき、急に彼女の声が不自然に途切れた。
ぐらり、その背中が大きく揺れてそのまま横に倒れていく。
(……え?)
一瞬、目の前のことが理解できなかった。
アヴェイラは甲板に倒れたまま、ぴくりとも動かない。
「お頭!?」
「お頭ぁ!!」
「――アヴェイラ!?」
海賊たちの声に漸く我に返り慌てて駆け寄ろうとして、でもそれより早くに彼女の元に駆け寄った者がいた。
「アヴェイラ! おい、アヴェイラ!?」
グリスノートがぐったりした彼女の身体を抱き起こし必死にその名を呼ぶ。