My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
 そんな私の肩にぽんとアヴェイラの手が乗る。

「でもね、カノンからあんたの話を聞いてそんな気持ちも無くなっちまった」

 それを聞いて私はほっと胸を撫でおろした。
 ラグとアヴェイラが争うのなんて見たくない。

「――それに、あんたのその姿を見ちまったらねぇ」

(え……?)

 続けられた言葉に今度は憂いの色が混じった気がして、その横顔を見る。

「おかしいと思ったんだよ。相棒だけよこしてあんた自身はカノンを助けに来ない。そもそも、あたしがカノンを攫ったときだって、あんたなら簡単に奪い返せたはずだ。なのに、あんたは何もしなかった。……何も出来なかったんだね、その呪いのせいで」
「!?」

 目を見開く。私はアヴェイラにラグの呪いのことは一切話していない。
 でも彼女は小さなラグの姿を見て気づいたのだ。それが呪いのせいであると。

(ってことは、呪いのことを知ってる……?)
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