My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】

 ずっと、ただ子供の姿に変わってしまう呪いだと思っていた。
 だから、なぜ彼がそこまでその呪いを嫌悪するのかわからなかった。

 アヴェイラが肩を竦める。

「そんなに怒んないでおくれよ。ただ同じ術士として、あんたと話がしてみたかったんだ」
「……解き方は」
「え?」

 ラグが感情を押し殺したような低い声でもう一度訊く。

「この呪いの解き方は、聞いていないか」
「いや、流石にそれは聞いてないね」

 アヴェイラが首を横に振るとラグは大きく舌打ちをした。

「……オレに話ってのはそれだけか。なら、早くそいつを返せ」
< 154 / 440 >

この作品をシェア

pagetop