My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
ずっと、ただ子供の姿に変わってしまう呪いだと思っていた。
だから、なぜ彼がそこまでその呪いを嫌悪するのかわからなかった。
アヴェイラが肩を竦める。
「そんなに怒んないでおくれよ。ただ同じ術士として、あんたと話がしてみたかったんだ」
「……解き方は」
「え?」
ラグが感情を押し殺したような低い声でもう一度訊く。
「この呪いの解き方は、聞いていないか」
「いや、流石にそれは聞いてないね」
アヴェイラが首を横に振るとラグは大きく舌打ちをした。
「……オレに話ってのはそれだけか。なら、早くそいつを返せ」