My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
ぐぅ、とお腹が鳴ってしまったのはそんなときだった。
はぁと重い溜息が聞こえて、やっぱり聞こえてしまったかと顔が熱くなる。
「次の街まであと少しだ。それまで我慢しろ」
「う、うん、頑張る」
そう答えながら、でもやっと会話が出来たと少し嬉しくなった。
このまま何か話をと話題を探していると、ラグがもう一度口を開いた。
「あの女海賊の船では、ちゃんと食わせてもらってたんだよな?」
「うん、食べてたよ。アヴェイラが運んでくれて。ブルーの船よりはシンプルだったけど」
やっぱりブルーの船にはリディがいてくれて良かったよね、そう続けようとして、ハっとする。
(そうだ。リディ、ラグのことが好きなんだった)
真っ赤になった彼女の顔が浮かんで、私とラグが想い合っているなんて少しでも考えてしまったことに罪悪感を覚える。
(やっぱりありえない!)
私はもう一度頭を振ってから、思いきって訊くことにした。
「ラグはさ、呪いが解けたらどうするの?」
「は?」