My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
(ラグはちゃんと眠れたかな?)
私はベッドから降りて簡単に支度をするとすぐに部屋を出た。
するとドアのすぐ横に彼が凭れていた。こちらを向いた彼にお待たせと言おうとして。
(……あれ?)
「行くぞ」
そうして彼は背を向けて廊下を進んでいく。
「ねぇ、ちゃんと眠れた?」
「あぁ」
「でもなんか顔色が」
一瞬だけだけれど、顔色が悪く見えたのだ。
「気のせいだろ」
「そう……?」
「それより、今日は途中に街がないからな、朝のうちに腹いっぱい食っておけよ」
「え! わ、わかった」
階段を下りていく彼についていきながら返事をする。
ということは今日は一日中歩き通しということだ。私は言われた通り朝食をお腹いっぱい食べようと思った。