My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
「話ぃ?」
アヴェイラは怪訝そうな顔をした後で、彼の後ろに立つリディに気づいたようだ。
「おっと、珍しい顔も乗ってるじゃないか。久しぶりだねぇリディ!」
嬉しそうな顔でリディに手を振る彼女はどう見ても私と同じ年くらいの女の子で、とても海賊の頭だなんて思えなかった。でも確かに彼女の船には仲間らしき男たちが何人も乗っていて。――と、グリスノートがそんな彼女に告げた。
「俺たちはもう海賊はやめた!」
「は?」
それを聞いた途端、アヴェイラの笑顔が強張るのがわかった。
「海賊団ブルーはもう解散したって言ってんだ!」
「そうなのアヴェイラ! 私たちはもう誰からも奪ったりしないって決めたの!」
グリスノートとリディが続けてそう叫ぶ。