My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
腰に巻いたホルダーにダガーを収め、私たちは武器庫を出た。
「極力離れないようにするが、油断はするなよ」
「うん!」
武器を装備するのなんて勿論初めてで、短剣とは言えこれまで感じたことのない右腰の重みに緊張を覚える。
(今まではセリーンもいたし武器なんて必要なかったもんなぁ)
いつも私はラグとセリーンの二人に守られてきたのだ。我ながら幸運だったとつくづく思う。
彼女は今どうしているだろう。ふと、あの見事な赤毛を思い出す。
私たちを追って来ているのだろうか。だとしたらまた会えるだろうか……?