My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】

 そんなことを考えながら先ほどの部屋に戻ると、入り口のところに集まっていた自警団の人たちが一斉にこちらを見た。待たせてしまったみたいだ。
 その中にはマルテラさんもいて、目が合ってどきりとする。

「お待たせしました」

 頭を下げながら駆け寄るとパシオさんが笑顔で首を振った。

「いや、では行こうか」
「はい」
「それと、今丁度1stの傭兵が街に立ち寄ってね、彼女も調査に同行してくれることになったんだ」

 ――1stの傭兵? 彼女?
 パシオさんたちに続いて詰所を出ると、そこに大剣を背にした赤毛の人物が立っていて私は大きく目を見開く。

「セリーン!!」

 私が歓声を上げるのと同時、背後で大きな舌打ちが聞こえた気がした。

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