My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
「あぁ、彼女は私の雇い主でな」
セリーンがそう答えてくれた。
「色々あって途中はぐれてしまったんだが、またこうして合流出来て良かった」
「そうでしたか。それは良かった」
パシオさんが笑顔に戻り、私も頷く。
「そういうわけで、この子を護りながらの同行になるが構わないか」
「それは勿論。とても心強いです。改めてよろしくお願いします。ダグ、君も」
そうしてラグの方に視線を向けたパシオさんを見て、あっと思う。
ラグがまた「ダグ」という偽名を使っていることをセリーンは知らない。でも彼女は私と目が合うと小さく頷いた。わかってくれたみたいだ。