My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
けれど、マルテラさんがすぐ近くにいると思うと下手な行動はとれなかった。
彼女から見たら、ひそひそ話でさえきっと不審に映ってしまうだろうから……。
「モンスターが街に入ってくるようになったのは、いつ頃からだ」
そんな中、セリーンが先を行くマルテラさん達に声をかけた。
一緒に森に入った自警団員はマルテラさんとパシオさん、あと名前の知らない男性がふたり。
セリーンの問いに振り返って答えてくれたのは団長のパシオさんだった。
「5日ほど前から急にです。しかも一日に何度も。このあたりに棲むモンスターは皆元々温厚な性格で、稀に街中に迷い込んでも人を襲うなんてことは滅多になかったのですが」
「それは確かに気になるな」