My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
マルテラさんが頷く。
「えぇ。昔からレーネの石には不思議な力があるとされてきた。だからその力のお蔭だと私たちは思っているの」
そう話すマルテラさんはどこか誇らしげに見えた。
――不思議な力。
ごくりと知らず喉が鳴っていた。
そんな凄い場所なら本当にここにエルネストさんがいるような気がしてくる。
でも今は狂暴化しているというモンスターの方が気になった。街の人はきっと今この時もいつ現れるかわからないモンスターに怯えているに違いない。
原因は一体何なのだろう。
(狂暴化……何かに怒ってる、とか……?)
そんなことを考えていた時だ。
「いたぞ、奴らだ!」
一番先を行っていた男の人が声を上げ緊張が走る。