My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】

「来るぞ、気を付けろ!」

 皆が各々の武器を手にするのを見て、私も自分の腰に装着したダガーの柄を強く握りしめた。

(いざとなったら私も戦わなきゃ……!)

 ここからでも先ほどラグが倒した狼に似た黒いモンスターが数匹、木々の間から確認出来た。皆威嚇するように牙をむき出しにして全身の毛を逆立てている。
 一匹のモンスターが咆哮を上げ、それが合図だったかのように一斉にそいつらはこちらに跳びかかってきた。
 先頭にいた彼を始めパシオさんたち自警団の人たちは戦いにくいだろう森の中でも慣れた様子で次々モンスターを倒していく。
 マルテラさんも細身の長剣とダガーを手に果敢に戦っていた。

(すごい、マルテラさん強いんだ……!)
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