My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】

「皆凄いね、あんな重いもの扱えて」
「年季が違うからな。カノンはそのままでいいと思うぞ」
「ありがとうセリーン、また助けてもらっちゃった」
「言っただろう。カノンのことは全力で護衛すると」

 優しく微笑まれて本当にセリーンがいるんだという実感がわいてくる。
 ラグがいてセリーンがいる。またこの3人に戻れたことがとても嬉しかった。

「あ、こちらですー!」

 そのとき数軒先の建物から自警団の制服を着た人が出てきてこちらに大きく手を振った。
 先ほど一足早く宿へ駆けて行った、確かトランクさんと言っただろうか、マルテラさんの代わりに詰所に残った人だ。

「主人には伝えておきましたので、今夜はこの宿で休んでください。今回の報酬は明朝必ず」
「構わないぞ。こんな状況だ。私たちはゆっくりこの宿で待たせてもらう。また何かあったら声をかけてくれ」
「ありがとうございます。そう言っていただけると……では俺はこれで」
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