My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
「大変そうだね。早く原因がわかればいいけど」
「そうだな。さて、どの部屋にするか」
階段を上りきりセリーンがそう言い終わらないうちに、ラグは一番手前の部屋に入りすぐにドアを閉めてしまった。
「ふん、なら私たちは奥の角部屋にするか」
「うん」
「私がいない間、夜はどうしていたんだ?」
「え」
前を行くセリーンに訊かれ、思わず変な上ずった声が出てしまった。
彼女はドアの前でこちらを振り向くと、とても良い笑顔で言った。
「まぁ、中でゆっくり話そう」