My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
「ラグがモンスターに襲われそうになってた女の子を助けて、その流れで頼まれたの」
「あぁ、自警団長が話していたな。若い男女も一緒だと聞いて、お前たちだと確信した」
私たちが武器を選んでいるときだろう。
「それで、皆は? あの後どうなったの?」
改めて訊く。
グリスノートだってここに来たがっていたはずだ。なぜセリーンひとりだけなのだろう。
するとセリーンはベッドに腰を下ろし話してくれた。
「お前たちが飛んで行ってしまった後もあの女海賊がブルーの進路を頑なに阻んでな。交渉の末になんとか昨日私一人だけ船を降り、このヴォーリア大陸に立つことが出来たんだ」
「そうだったんだ……」
はぁと息を吐く。
アヴェイラとグリスノートは結局対立したままのようだ。
(折角一瞬いい感じに見えたのにな……)
「――って、昨日!?」
聞き間違えでなければ今セリーンは“昨日”船を降りたと言った。
私たちが3日かけてきた距離をたった1日で……!?