My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
しかし、ラグはなかなか降りてこなくて流石に心配になってきた。
「ちょっと私声かけてくるね。寝ちゃってるのかもしれないし」
立ち上がりながら言うとセリーンは料理を頬張りながら階段の方を見上げ渋々といった顔で頷いた。
……ここはラグにとって因縁の地で、本当なら長居したくない場所だということを思い出しながら階段を上がっていく。
2階に上がってすぐの部屋の前に立ち、ドアを軽くノックをする。
「ラグ、大丈夫?」
するとすぐに足音が近づいてくるのがわかった。
ドアが開いて、暗がりの中現れたラグはなんだか少し困ったような顔をしていた。