My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
ふいに口をついて出ていた。
ラグが頷き、ポケットに優しく触れた。
「……森のモンスターたちも、何かに怯えているのかもしれんな」
セリーンが神妙な顔つきで言うのを聞いて、昼間の狂暴化したモンスターたちを思い出す。
てっきり何かに怒っているのかと思ったけれど。
(何かに怯えているんだとしたら、一体何に……?)
そのとき廊下奥の窓が風にガタガタと揺れて、その向こうの真っ暗な闇を見てぞくりと身体に震えが走った。
――このレーネの地で今一体何が起きているのだろう……?