My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
「さて、休むとするか。明日はまず自警団の詰所に行き、アジルという男の所在を訊いてみよう」
「うん。……でも、セリーンもセイレーンの秘境一緒に探してくれるの?」
ラグの解除を阻止することが彼女の目的のはず。つい先ほどもそう言っていた。だから彼女的にはその場所が見つからない方がいいのではないかと思ったのだ。
するとセリーンは一瞬きょとんとした顔をしてから、あぁと言って続けた。
「エルネストのことは私も気になるからな。父との奇妙な縁もある」
「そっか。そうだったね」
セリーンのお父さんがエルネストさんの肖像画を持っていたのだ。
寝る準備をしてベッドに上がりながら続けて訊ねる。
「セリーンのお父さんって、どんな人だったの?」