My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
29.誓いの指輪
眠れないまま窓の外が明るくなって、そのうちパンの焼ける良い香りが部屋に漂ってきた。
諦めて起き上がりぐーっと伸びをする。と、
「眠れなかったか?」
隣のベッドからそう声がかかった。
セリーンの優しい瞳がこちらを見ていて、私は苦笑しながら頷く。
「うん。でも、体は休めたし平気」
「そうか」
するとセリーンも身体を起こし私と同じようにぐーっと伸びをした。
「よし、まずは腹ごしらえだ」
「だね」
そうして私たちはベッドを降り支度を始めた。