My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
4.告白
「今日の功労者であるラグにかんぱーーい!!」
「かんぱーーい!!」
グラス同士がぶつかり合うけたたましい音が食堂に鳴り響く。
ラグが相変わらずの不機嫌顔で手にした酒を一気に呷ると仲間たちからおぉーっと拍手喝采が起こった。隣に座るフィルくんも嬉しそうにぱちぱちと拍手を送っていて。
「これでアヴェイラも少しは懲りたと思うが、ヴォーリア大陸に着くまで気を抜くんじゃねぇぞてめぇら!」
そんなグリスノートの大声を聞きながらアヴェイラのあのショックを受けた顔がまた浮かび私は少しムっとしてしまった。
(あんなにわかりやすいのになんで気づかないんだろう。お嫁さんにぴったりなのに)