My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
後に続いていたモンスターたちがそれを見てじりじりと後退っていく。
「貴様、解毒は」
「毒の回り具合による」
こちらを振り向かずに言ったセリーンにラグが低く答える。
(そうだ、ラグの治癒の術で治るかもしれない……!)
「カノンと詰所まで走れ」
「わかった」
「トランク! ふたりを詰所まで届けたい。フォローを頼む!」
「わ、わかりました!」
トランクさんが頷き、セリーンと共にモンスターたちの方へと駆け出した。
「行くぞ」
「う、うん!」
差し出されたラグの手をしっかりと握り、私たちも走り出す。
セリーンたちが私たちを詰所まで誘導するように邪魔なモンスターを次々倒していってくれる。お蔭で私たちは一度もモンスターと鉢合わせることなく詰所前まで辿り着くことが出来た。