My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
(私、最低だ……)
きっと他に原因があるはずだとラグに言いながら、自分にその原因があるなんて全く考えていなかった。
私はこの世界を破滅させる“銀のセイレーン”なのに。
この世界に来てすぐにそう言われたはずなのに。
モンスターたちがこの街に押し寄せてきたのも、あの小さな女の子やパシオさんが負傷したのも、――ラグが深く傷ついたのも。
全部、私のせいなのに。
ドン……ドンッ……ドガンっ!
振動と共にそんな轟音が耳に響いた。扉が破られたのだ。
のっそりと現れたのは、爪に毒があるというあの豹に似た大きなモンスターだった。
そいつも未だ髪が銀に輝く私を見つけると、ぐるると低く唸り声をあげ威嚇の体勢を取った。