My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
ねむれ ねむれ おやすみなさい
痛みのわけは忘れて おやすみなさい
明日になればきっと 新しい自分に会えるから
あんなに爛々と目を光らせていたモンスターたちが次々崩れ落ちるように倒れていく。
“歌”の効き目に自分でも驚いて、でもこれが“銀のセイレーン”の力なのだと今なら納得出来た。
見ればマルテラさんもパシオさんもふたり支え合って倒れ込むようにして眠りに落ちていた。
(きっとこれで私のこと……銀のセイレーンのことを忘れてくれるはず)
そして目の前にいる彼も、がくりとその場に膝を着いた。
「お前、何を……」
その手が私に向かって伸ばされて、そのまま力なく落ちていく。