My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
38.世界を終わらせる歌
――魔導術士を量産して、最強の戦闘部隊を作ろうと……?
「レーネが作ろうとしていた恐ろしい武器とはそれのことか」
セリーンが不快感を露わに呟く声が聞こえた。
術士であるアルさんは口を開けたままあまりのことに声が出ないようだった。
私は、“魔導術士”という呼称は戦争後に出来たものだと、いつかラグが自嘲気味に話してくれたことを思い出していた。
(争いのためだけに作られた術士なら、それこそ“悪魔のような術士”だ……)
アジルさんは目を見開いたまま続ける。
「だが計画はなかなか順調には行かなかった。力を授かっても急に手にした力をいきなりうまく扱える者などいなかった。術に失敗して、命を落とす者も少なくなかった」