My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
「結局、自業自得だったってことかよ。ひでぇ話だな」
そう口火を切ったのはグリスノートだ。彼はラグの方を振り向き続けた。
「ならラグの奴は何もしてねぇのに、ずっと自分の仕業だと思い込んでたわけかよ」
「いや」
アルさんが首を横に振る。
「ラグがこの街で術を使ったのは確かだ……俺もそれはこの目で見てる」
ふぅと、短く息を吐いたのはエルネストさんだった。
「この場所と、作られた大きな力と、ラグの純粋な力……そのすべてが要因となったんだろうね」
「……みんなにも伝えなきゃ……」
「カノン?」
セリーンが私を見て、声に出ていたのだと気づく。
私は顔を上げて、もう一度言う。
「ラグひとりのせいじゃなかったって、みんなにも伝えなきゃ!」