My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
私はもう一度エルネストさんを見上げて笑顔で言う。
「だから、大丈夫です。歌は不吉なものなんかじゃないってわかれば、きっとすぐにまたこの世界に歌は戻ってきます」
「……」
「だから、この世界を終わらせるなんて、そんな悲しいこと言わないでください」
「――君が、種を蒔いてくれたんだね」
「え?」
ふっと彼が小さく笑った。
「君は、本当に彼女に良く似ているよ」
再び私を見た彼は、いつもの優しい笑みを浮かべていた。
「コトネも、今の僕を見たらきっと同じことを言っただろうな」
(……え?)
「いや、それともまた叱られてしまうかな」
そうして彼は困ったように眉を下げた。
「お蔭で、またそんなレヴールが見てみたいと思ってしまったよ」