My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
「……いや、だが、その銀のセイレーンは殺されたのだろう?」
セリーンが眉を寄せ私を見る。
「確か、カノンのお祖母様が亡くなられたのは最近ではなかったか?」
「そう、おばあちゃんが亡くなったのは、去年だから……半年くらい前」
そう話しながら、なにか引っ掛かりを覚えた。
――こんな会話を、前にもどこかでしたような……。
「……なぁ、ひょっとして、あんたを封印したのって、そのコトネさんじゃないのか?」
アルさんの言葉に、エルネストさんが更にその双眸を大きくした。
「ほら、前にパケム島で、ドナちゃんのおばあちゃんが亡くなってから自警団のおっちゃんが記憶を取り戻したってことあったろう」
「!」
それだ、と思った。目が合ったセリーンも頷く。
「なんだそりゃ。俺にもわかるように説明しろよ」
面白くなさそうに言ったのはグリスノートだ。