My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
「あ~とにかく、歌の効力がその者が亡くなって解けたってことだ。あんたが眠りから覚めたのも数ヶ月前なんだろう? あんた、コトネさんが殺されたところほんとに見てんのか?」
アルさんの問いかけに、エルネストさんはゆっくりと首を横に振った。
「いや、見ていない。ただ殺されたと聞かされて彼女が本当にどこにもいなくて……」
「!」
「だろ? コトネさんはほんとは生きていたんだ。でもあんたは殺されたと思いこんで、恐ろしい歌を作ってこの世界を破滅させようとした。それを知ったコトネさんが、あんたを止めるためにあんたを封印したんじゃないのか?」
(おばあちゃんが、エルネストさんを……?)
胸の前で強く手を握る。
「いや、だがそれだと封印も解けるはずだろう?」
セリーンが眉を寄せ言うと、アルさんはあぁ~と唸って天を見上げてから続けた。
「じゃあ、コトネさんは眠らせただけで、封印したのは別の誰かとか……?」
「それなら、心当たりがある……」
エルネストさんが小さく口を開いた。