My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
「僕が解かなくても、真実を知ればきっともうあの姿に戻ることはなかっただろうけどね」
「真実?」
訝し気にエルネストさんを見たラグの肩をアルさんがぽんぽんと叩く。
「まぁ、詳しくはまた後でな。それよりラグ、カノンちゃんがお前のためにすっげぇ頑張ってくれたんだ」
「カノン?」
「あぁ、お前の呪いもカノンちゃんが解いてくれたようなもんなんだぞ」
「……誰だ」
「は?」
今度はアルさんの笑顔が固まる。
「――だ、だから、カノンちゃんが……」
そうしてアルさんが私を指差して、その深い青が私を見た。
でも、彼は眉間に皴を寄せ不審そうな顔をするだけで。
「知らねぇ。誰だ」
「!?」
皆が驚愕する中、私はひとり小さく笑った。