My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
「それより、ここは何なんだ。オレは、一体……」
再び頭を押さえたラグに、アルさんが引きつった笑顔で言う。
「お前、何言ってんだ……まだ寝ぼけてんのか?」
と、そこへすさまじい形相で詰め寄ったのはセリーンだった。
「貴様、一体なんのつもりだ」
「はぁ?」
胸倉を掴まれたラグが彼女を柄悪く睨みつけて。
「カノンは、貴様のために」
「セリーン、違うの!」
私は慌てて叫ぶ。
「私の歌のせいなんだ」
「!?」
セリーンが瞳を大きくしてその手を緩め、ラグは舌打ちをしながらそれを払った。
私は苦笑しながら続ける。