My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
「私、最後の最後までラグに迷惑かけちゃったので、申し訳なくて……だから、本当にこのままでいいんです」
「モンスターたちが街に押し寄せたのは、君のせいではないよ」
「え?」
エルネストさんが優しく微笑んでいた。
「彼らに人間の伝説なんて関係ないからね。ただおそらく、力ある者たちがここに集まってくるのを感じ取って7年前の悲劇を思い出したのだろうね。だから、君が気に病む必要はない」
――私のせいじゃない。
それを聞いて、少しだけ胸のつかえが下りたように思えた。
私がひとつの要因であることは間違いないけれど、それでも、その言葉に救われた気がした。