My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
グリスノートが大きく舌打ちをして。
「その程度だったのかよ……見損なったぜ、クソが!!」
吐き捨てるように言って彼はラグから離れていった。
(なんで……?)
私の歌のせいだと言っているのに、グリスノートがなぜそんなにも怒るのかわからなくて呆然としていると、ラグと目が合った。
しかしそれはすぐに逸らされて、ズキリと胸が痛む。
(――でも、これでいいんだ)
私は一度目を閉じてから笑顔を作ってエルネストさんの方を見た。
「あとは、エルネストさんをそこから助け出すだけですね。私に出来ますか?」
そういう約束だった。
私が帰るための楽譜をくれる代わりに、助け出して欲しいと。
でも、エルネストさんは笑顔で首を横に振った。
「え?」
「僕はもういいんだ」
「いいって……?」
訊くと彼は水晶柱の中で眠る自分の身体を見つめた。
「その程度だったのかよ……見損なったぜ、クソが!!」
吐き捨てるように言って彼はラグから離れていった。
(なんで……?)
私の歌のせいだと言っているのに、グリスノートがなぜそんなにも怒るのかわからなくて呆然としていると、ラグと目が合った。
しかしそれはすぐに逸らされて、ズキリと胸が痛む。
(――でも、これでいいんだ)
私は一度目を閉じてから笑顔を作ってエルネストさんの方を見た。
「あとは、エルネストさんをそこから助け出すだけですね。私に出来ますか?」
そういう約束だった。
私が帰るための楽譜をくれる代わりに、助け出して欲しいと。
でも、エルネストさんは笑顔で首を横に振った。
「え?」
「僕はもういいんだ」
「いいって……?」
訊くと彼は水晶柱の中で眠る自分の身体を見つめた。