My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
……エルネストさんに会えて、歌で呪いを解くという私の役目が終われば、きっとラグは「じゃあな」と、さっさと離れていってしまうのだろう。
きっと彼は別れを惜しむなんてことはしない。もし本当に私が帰れなくなっても、それは同じ。――それがよくわかった。
「寂しいなぁ」
ぽつりとそんな声が出ていて気づく。
(そっか。寂しくて、涙が出たんだ)
なのに私は、彼から離れたらダメだなんて考えたりして。
たった数ヶ月一緒にいただけで、彼の何になったつもりでいたのだろう。
笑ってしまう。思い上がりもいいところだ。