My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
「……今の、くしゃみか?」
かぁっと顔が赤くなる。
すると、ふっと彼女が小さく笑った気がした。
「これに着替えな。……あぁ、それじゃ無理だな」
アヴェイラは縛られた私の両手首を見ると手にしていた服をベッドに放り、棚から出してきた小さなナイフでその縄を切ってくれた。更には口に巻かれていた布も取られて驚く。
「……いいの?」
思わず、そう小さな声で訊いていた。
「話があるって言ったろ。ほら、先に着替えちまいな」
「ありがとう」
お礼を言って私はもう一度差し出された服を受け取った。……彼女が今着ているものと似て少々露出度が高そうだが、濡れている服よりはマシだ。
早速着替えようとするが、濡れた服が肌に張り付いてなかなかうまく脱げずに悪戦苦闘しているとベッドに腰掛けたアヴェイラがまた笑った気がした。