My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
8.心強い味方
早速、私はアヴェイラに歌を教えていた。
フェルクレールトで子供たちを前にしたときと同じように、まずはドレミの音階から。
アヴェイラは真剣に私の説明を聞いてくれて、飲み込みもとても早かった。
「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド~」
「そう! やっぱりアヴェイラすごく声綺麗!」
ベッドに座りパチパチと拍手をしながら言うと、私の前に立つ彼女は頬を少し紅潮させ笑った。
「そうかい? やっぱりカノンに頼んで良かったよ。グレイスの真似をしてもさっぱりだったからねぇ。もうこれで幽霊船だなんて言わせないよ!」
「幽霊船?」
気になるワードが出てきて首を傾げると、アヴェイラはふんっと鼻を鳴らし腕を組んだ。