My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
ドタバタという激しい足音と、怒鳴り声と悲鳴まで聞こえてくる。
「なんだ?」
アヴェイラはすぐさま扉の方へ向かった。気になって私もベッドから立ち上がりその背中を目で追う。
「どうした!?」
彼女が扉を開け大声で叫ぶ。するとすぐに情けない声が返ってきた。
「お頭ぁあ!!」
「なんか、変な小せぇモンスターが入って来ちまって!」
「すばしっこくてなかなか捕まえられないんす!」
「モンスターだって?」
(小さいモンスターって)
私はまさかとアヴェイラの傍らに駆け寄る。
船長室の前で数人の海賊たちが剣を振り回し右往左往しているのが見えて、皆の視線の先にその姿を見つけ私は声を上げていた。
「ブゥ!?」