My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
その声にブゥはすぐに気づいたようだった。
「ぶぅ~っ」
鳴きながら一直線にこちらに飛んでくる姿を見て私は胸がいっぱいになってしまった。
伸ばした手のひらにふわりと着地したブゥに私は声を掛ける。
「ブゥ、追いかけて来てくれたの?」
「ぶぅ! ぶっ、ぶぶぶぅ!」
何を言っているのかさっぱりだったが喜んでくれているのはなんとなく伝わってきて嬉しくなる。
「ありがとう、私は大丈夫だよ」
「なんだい、カノンの連れなのかい?」
ハっと我に返ると、アヴェイラや海賊たちの視線がこちらに集中していて焦る。
「あ、一緒に旅をしている仲間で、私を追ってきてくれたみたいで。でも、あの、全然怖いモンスターじゃ」
「仲間がひとりそいつにやられてぶっ倒れちまったんだが」
海賊の一人に恐ろしい形相で睨まれ慌てて頭を下げる。
「ご、ごめんなさい! 多分私を捜してて……でも、きっとすぐに気が付くと思います!」
「てめぇっ!」
その人が顔を真っ赤にしてこちらに向かってきて、ブゥが私の手から飛び立ったそのとき、