My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 6【最終章】
「ここから、あとどのくらいかかるの?」
「このまま順調に行けば3日ってとこだね。あたしの歌を聴いてひっくり返るがいいさグリスノート! よーっほほほほ!!」
それを聞いて安心する。思ったよりも早く皆と合流できそうだ。
「ありがとう、ブゥ」
手紙の上に乗ったままのブゥにお礼を言って、その目が半分閉じかかっていることに気づく。そういえばいつもならもうとっくにラグの髪にぶら下がって寝ている時間だ。
私は試しにいつもラグがしているようにブゥを優しく掴んで髪の結び目に近づけてみた。するとブゥは手の中でもぞもぞと動いてそこに逆さにくっついたのがわかった。
嬉しくて思わず顔が緩んでしまう。
「おやすみ。ブゥ。本当にありがとう」