舞い始めた心
病院に着いて治療が行われた。


治療が終わって棚橋先生が出てきた、


「初期処置が良かったから、安定したよ。ありがとね。」

ホッとした。
その瞬間くらりと目の前が揺れた。

棚橋先生は見過ごさない。

「大丈夫?こっちみて?」

手首を掴んで脈を測っている。

「ごめんね。道場さんちょっと抱っこするよ?」

「ごめ、んなさ、、、い」としか言えなかった。


診察室のベットに連れていかれる。

「道場さん?蘭ちゃんだよね?」

えっ先生覚えてるの?

「えっ?おぼえて、るんで、すか?」

静かに、頷く。

左手首を擦りながら、看護師さんを呼ぶ

「脱水だから、補液するよ?」
「相変わらず細い血管だね。看護師泣かせだよ、ふふふ」

先生が点滴を刺してくれた。

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