ヤマジ君の…ヒミツ★
その声はなぜか、か細く震えていた。

井川加奈子にしてはめずらしいことのような気がして、あたしは彼女の方へ視線を移した。



あ……。

思わずそんな声が漏れそうなぐらいあたしは驚いていた。


井川加奈子の顔は真っ赤で、その緊張がこちらにまで伝わってきそうなほどだったから。


井川加奈子はひょっとして……。


あたしがその答えを導き出すよりも早く、ヤマジ君が口を開いた。


「カナコって料理できんの?」


ヤマジ君はまるで彼女をからかうようにクスクス笑ってる。


「なっ、何よ! 言っとくけど、あたし、料理得意やねんからね! もう、いい、ヤマジなんかには絶対作ってあげへんもん!」


そう言って、ヤマジ君の肩をバシバシと叩く。
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