ヤマジ君の…ヒミツ★
「じゃ、もうそろそろ帰りますかっ」


工藤聡史のその言葉にヤマジ君は再度立ち上がった。

と、その拍子に、ヤマジ君の膝がテーブルに当たってしまい、井川加奈子の鞄が床に落ちた。


タイミングの悪いことに、その鞄はファスナーが開いたままだったらしく中身が床に散乱した。


「うわっ。悪いっ……」


ヤマジ君はあわててその荷物を拾おうとする。

あたしも手伝おうとしてしゃがみこんだ。



「あっ……。いいから。自分でやるからっ」


なぜか井川加奈子は焦っていた。

まるで、みんなに見られたくない物がそこにあるかのように。


ヤマジ君はそんな彼女の言葉を気にするでもなく、教科書やノートをかき集める。


そしてノートの下にあったものを見つけた瞬間、その手が止まった。


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