ヤマジ君の…ヒミツ★
あたしは慌てて顔を上げた。
「ヤマジはいい男やん。 惚れとったんやろ? あいつに」
「な……」
あたしは絶句した。
なんで工藤聡史はこんなに勘が鋭いんだ。
周りのことが把握できるにしてもほどがあるよ。
あたしですら自分の気持ちにやっと今日気づいたぐらいなのに……。
ていうか、あたしが単純でわかりやすすぎるのかな……。
「……ない」
「へ?」
「つまんない……つまんな―――い!」
あたしはその場でジタバタと床を踏み鳴らした。
「ヤマジ君って案外普通なんやもん。なんていうの? もっと俗世間からかけ離れたようなさ……。いかにも王子様って感じのキャラかと思ったのに。あんな普通のヤマジ君になんか興味ないっ」
フンッと鼻を鳴らした。
強がりじゃないもん。
ほんとにそう思ってるもん。
普通の男の子のヤマジ君に魅力なんてないんだから!
そう思ってるのに……。
なんで今あたしは胸が苦しいの?
頬を伝っているこれは何なの?
「ううっ……」
あたしは俯いてオイオイと泣き出した。
「んー……困ったな」
頭上から工藤聡史の声がする。
「あ、そや」
工藤聡史はごそごそと制服のポケットを探る。
そして、あたしの目の前で手のひらをパッと開いた。
「これ、やるわ」
「ヤマジはいい男やん。 惚れとったんやろ? あいつに」
「な……」
あたしは絶句した。
なんで工藤聡史はこんなに勘が鋭いんだ。
周りのことが把握できるにしてもほどがあるよ。
あたしですら自分の気持ちにやっと今日気づいたぐらいなのに……。
ていうか、あたしが単純でわかりやすすぎるのかな……。
「……ない」
「へ?」
「つまんない……つまんな―――い!」
あたしはその場でジタバタと床を踏み鳴らした。
「ヤマジ君って案外普通なんやもん。なんていうの? もっと俗世間からかけ離れたようなさ……。いかにも王子様って感じのキャラかと思ったのに。あんな普通のヤマジ君になんか興味ないっ」
フンッと鼻を鳴らした。
強がりじゃないもん。
ほんとにそう思ってるもん。
普通の男の子のヤマジ君に魅力なんてないんだから!
そう思ってるのに……。
なんで今あたしは胸が苦しいの?
頬を伝っているこれは何なの?
「ううっ……」
あたしは俯いてオイオイと泣き出した。
「んー……困ったな」
頭上から工藤聡史の声がする。
「あ、そや」
工藤聡史はごそごそと制服のポケットを探る。
そして、あたしの目の前で手のひらをパッと開いた。
「これ、やるわ」