ヤマジ君の…ヒミツ★
あたしはちょっと離れたところから彼に冷たい視線を送った。


できればこんな面倒なことには関わりたくないのだ。


その視線に気付いた工藤聡史は口をパクパクさせてあたしに訴える。


「タ・ス・ケ・テ! ハ・ル・コ・チャ・ン」


フンッと鼻を鳴らした。


ご愁傷様。

助けるもんですか。


何食わぬ顔してちょっと遠巻きにその集団の前を素通りしていく。


工藤聡史は冬なのに冷や汗たらしながら、まだあたしに訴えている。


「オ・ニ! ア・ク・マ! ヒ・ト・デ・ナ・シ!」



おーほほほほ。

なんとでも言いなさい。

そのまま進んで曲がり角までいくと、さっとその陰に身を潜めた。

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